1633 初恋、かも・・・☺

DSC_3565あすは高校の入学式という日に。幼いころ預けられていた叔母から「見せたいものがあるの、入学式の帰りに寄って」という電話。翌日叔母の家に行くと、ぼくの大好きでいっぱいの昼ご飯が待っていた。食べはじめたぼくに、叔母は「物事を自分で判断できる年になったんだから、いやなものは残してもいい」といった。幼いころは嫌いなものを残すと席を立たせてくれなかった叔母。「うちに預けたから、躾のよくない子になったといわれないように頑張ったの。いま思うと、厳しすぎたわね」と頭を下げた。食後は、昔のように散歩。その時間は、川や原っぱで泥んこになっても叱られない幸せな時間だった。叔母はいつも、少し離れたところでぼくを見守ってくれていた。
さて、入学式の日。叔母がぼくを誘った場所は、
小さな原っぱ。そこには、水色の小さな花が原っぱを水色に染めていた。この花に初めて出会った日のぼくが、目を輝かせ、小さな花たちと何かをずっと話し続けていた様子を、叔母は懐かしそうに話してくれた。そして、この花を家で育てたいというぼくに、叔母は「野に咲く花は、生まれ育った場所においておくものよ」といったが、ぼくがあきらめないので持ち帰るのを許したという。ぼくは嬉々として庭の片隅に植えて水やりをした。でも、翌日、水色の花はしおれてダメに。その花に、「ごめんね」といいながら泣き続けていた日のことを、ぼんやり記憶していた。叔母は「この季節になると、あの日を思い出すの」といって目を潤ませた。
大人になったぼくは、この花の季節がくるたびに、高校の入学式の日に叔母と過ごした幸せな午後を思い出す。叔母は「あの花は、きっとasoboの初恋の相手ね」といって笑い、そのあと「好きになった子を、あの花のように枯らさないように大切にしてあげるのよ」といった。うん、確かに、初恋だったかも。
カテゴリー: あの日。, いい恋を。, きみに。, きょうの気分, さみしさに耐えられなくなったら。 パーマリンク

1633 初恋、かも・・・☺ への14件のフィードバック

  1. kotoga81 より:

    こんばんは。

    素敵な思い出ですね。オオイヌノフグリ。私も好きな花です。
    たくさん咲いている姿は、星を散りばめたみたいです。
    この花は、たぶん午前中に咲いて夕方までには、ぽとって、花が落ちてしまうんじゃ
    なかったかなあ 叔母様は、知ってたのかも。。。。ほんとやさしい方ですね。
    こんなにかわいい花なのに、もっといい名前無かったのかなあ?って考えてたら
    思い出しました。私の持っている本の中に書いてあったのを
    学名は「ベロニカ」。

    • asobo より:

      kotogaさん、おはよ~っ🌄🎵
      可愛い花ですよね。なのに、どこの誰がおかしな名前をつけたんでしょうね。
      へ~っ、夕方には花が散るんですか。びっくりぽんです。
      ステキな名前を教えてもらって感謝です。ありがとう。
      そうそう、叔母の家にはおばあさんがちいさな畑をもっていました。
      そこで育ったラディッシュをみたときも、なんて可愛い野菜なんだと感激しました。
      叔母との生活で、ぼくはいろいろな初めてに出会いました。

  2. Nasuko より:

    これは、「いぬのふぐり」でしょうか。
    春になると咲きますね、可愛いですね:D
    素敵な、おばさまですね:D

    • asobo より:

      Nasukoさん、おはようございます😊🌄🐻
      はい、おっしゃるとうりの名前です。こどものころ、この名前を知って
      どこの誰がそんな名前を付けたんだと猛烈に怒り
      この名前をぼくが口にすることはいまもありません。ふんがいするぼくに、叔母も「私もそう思う」といっしょに怒ってくれました。
      この春、僕の散歩道にはこの花がいつもの年以上にたくさんさいています。ところどころにベンチがあって、座ると小さな川の対岸には桜がもうすぐ満開です。
      今朝はいい天気。きっと昼には満開です。
      素敵な週末をお過ごしください。
      😊初コメ、ありがとうございます。

      • Nasuko より:

        これは、大変しつれいしました!!お下品な名前を出してしまって(T^T)

        • asobo より:

          ふふふ、Nasukoさんこんばんは😃🌃
          いえいえそれが正しい名前ですからしかたありません。
          ぼくの大好きだった小学校のときの先生も、みんなの前ではじぶんの名前を偽っていました。先生は小2の途中で他の学校に転勤になったけど、そのあと本当の名前を手紙で教えてくださいました。
          あ~、女性ってそういうものなんだって思いました。
          ヒミツを教えてもらってとても嬉しかったです。ますます先生が好きになりました。
          名前って大切ですよね。これからも、よろしく😃✌

  3. orca より:

    素敵な叔母さんだなぁ・・・(涙)。
    わたしも、そんなおばさんになりたい。

    • asobo より:

      orcaさん、こんばんは🌜☆彡
      はい、ちょっと男っぽくて、からっとした性格で、怒るとこわいけど
      本当はとてもやさしいひとでした。でも、預けられたころは
      とても厳しくて…特に食事の時は絶対にたべのこしは許してくれなくてつらかったです。
      でも、毎日一時間は何をしてもしかられなくて天国でした。
      ま、あの厳しさだけは真似ないほうがいいと思います。
      彼女も、いろいろ迷いながらぼくの面倒をみてくれていたんだとおもいます。
      時々年の離れた姉が様子を見に来てくれて・・・あのとき私が連れて帰ってやればよかったのかねぇなんて、大人になってからいっていました。
      姉みたいなおばさんになったら、きっと親戚の子供たちにすかれますよ。

  4. wakasahs15th より:

    当時は預かっておられた責任感もあって厳しくされたのではないでしょうか?今で言う愛の鞭かも知れませんね。真っ直ぐ責任感のある人間に育って欲しいと、、、。

    • asobo より:

      wakasaさん、こんばんは★🌛
      叔母は母の妹で子供がいなかったので、ぼくは初めての子育てだったんです。
      カラッとした性格できっぷもよかったけど、責任感も強いほうだったので、はじめはどう育てればよいのか悩んだんじゃないかな。
      おもしろいのは叔父の前ではとても素直でしたね。叔父はとても優しくてぼくを猫かわいがりでした。映画、特に洋画が好きで、まだ字も読めないのについていきたがるぼくを、よく連れて行ってくれました。ぼくはおかげで字を覚え始め、幼稚園のころには読めない字も多かったけど、映画の内容はなんとなくわかるようになっていました。
      そうそう、叔父は笑顔がアメリカの俳優、グレン・フォードによくにていました。

  5. Sachie より:

    なんだか胸がキュンとしました。私も子供の頃を思い出しました。今でもこの花を見ると、懐かしく思い出します。こんな青い花模様のワンピースやブラウス、あったら素敵だろうなと、ふと思いました。

    • asobo より:

      Sachieさん、こんばんは🌜🌟☺
      いま僕の散歩道にはこの花がいっぱい咲いています。
      この花は、きっとぼくにとって一生いちばん好きな花でありつづけると思います。
      ワンピースやスカートの話、すてきです。実はある日、ELLEを見ていたら、水色の花だけではなかったけど、小さな小花がいっぱいのスカートが紹介されているのを見つけました。で、そのころ仲の良かったガールフレンドに、その写真を見せながら叔母との思い出話をしたんです。彼女はフーンといっただけだったけど、それから数日後、じぶんで縫った小花がいっぱいのスカートをはいて現れました。とてもおちゃめでかわいい人でした。
      春から夏にかけての季節、心地いい感触の布でつくられたワンピースやスカートはいいですね。
      流行に左右されないシンプルなおしゃれは素敵です。

  6. paprica より:

    心温まるエピソード♪ 今も優しい叔母さんにときどき会いに行くの?
    この時期になるといつかの初恋の小さな君に会えるんだね。私もふぐり、大好きです。
    私の初恋の相手は誰だったんだろう、って考えちゃったよ。6歳のときに出会ったカエルのピーターかな。

    • asobo より:

      papricaさん、こんばんは🌜🌟☺
      叔母はずいぶん前になくなりました。
      ぼくは叔父や叔母は、のぶちゃんときんちゃんとか名前でよんでいたけど、預けられていた叔父叔母は、おじちゃん、おばちゃんと呼んでいました。
      嫌いなものを前に座らせているとき叔父が帰ってくるとやさしくたすけてくれました。
      叔母は厳しかったけど本当はやさしいとわかっていたので好きでした。
      初めて人に恋したのは幼稚園の時、たった一日だけ幼稚園に来てそのまま消えた子。会ったばかりのぼくをスキッ・・・プさんと呼んでくれました。その後小5の時、僕宛の手紙が幼稚園の園長さんに届きました。うれしくて、園長さんとスキップして喜びました。
      以来僕が好きになる子はみんな転校してばかり。
      そうそう、カルビーのポテトチップスのために書いた「昔みたい。」というショートストーリーはぼくの思い出。ポテトチップスの袋に印刷されてとても好評だったとみたいです。大阪ラバーもそのころ書き溜めた話です。

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